平成20年7月31日
【将来の食糧危機に日本はどう対処すべきか?】
日本の食料自給率は40%を切って居り先進国の中では最低である事は皆様御存知だと思いますが穀物の自給率は何と28%にすぎないのです。 米余りで休耕田が全国で多く見られるにも拘らずこんな低い数字が出て居ます。 日本人はもっとお米を食べる様食習慣を変える必要があります。
因みに穀物自給率が一番高い国はフランスの142%続いてアメリカの128%。 工業立国のドイツでさえも122%と言うのですから日本の28%は信じられない低さです。 米粉で作ったパン・パスタ・麺を食べる事で穀物の自給率を大きく改善する事が急がれます。
食糧危機は近づいて居ます。 既に8 億5千万人の人達がこの地球上で飢餓に苦しんで居りその数は増え続けて居ます。 それにも拘らず世界の耕作面積は砂漠化・都市化そして工業用地や宅地への 転換によって激減して来て居るのです。 1970年代の7億2,400万ヘクタ-ルの世界の耕地面積が2003年には11%減の6億4,580万ヘクター ルになって終ったのです。
しからば日本は忍び寄る食糧危機にどの様に対処すべきか?と言う事になるのですがそれには週末に乗用車で農作業に行く様な兼業農家をなくし農地の集約化と大規模農業への転換以外にありません。
既にセブン&アイホ-ルディングスが農業に参入すると発表して居りその計画によれば今後3年以内に全国10ヵ所に農業生産法人を新設しそれらの法人が生産した農産物をイトーヨーカドー全店舗(全国に170店)で販売すると言うのです。
野菜のみならず果物類も生産すると言う事でその販売総額は年に1,000億円を見込んで居るとの事。 恐らく他の大手ス-パ-も追従すると思われますから日本農業の活性化は急激に進行し食料自給率は大幅に改善されると思われます。
最近マスメディアはあまり取上げませんが農地ではなく工場の中で野菜を栽培する動きは活発で大企業も参入して居り製鉄会社のJFEホールディングス(日本鋼管と川崎製鉄が合併して出来た会社)はJFEライフと言う会社で無農薬レタス「エコ作」を大量生産して居ます。
茨城県土浦のプラントにある栽培ハウスには巨大水槽に苗の入ったシートが一面に浮んで居り温度差を微調整する製鉄技術を応用しコンピューターで室温や光量をレタスの生長に最適な状態に常に保つ様になって居るとの事です。
ト マトの水耕栽培は全国で広く行われて居りスーパーには例外なく水耕栽培で作られたトマトが並ぶ様になりましたがこの様な動きもこれから加速される事でしょ う。 海外からの輸入に依存せず野菜類の時給自足が出来る様政府は充分な補助金を付け自給率向上に力を入れる必要があります。
輸入食糧を減らす事はCO2の削減にもつながる訳で一石二鳥ですから政府も本腰を入れて国内生産を支援して行く様強く希望します。
井上 出