Friday, July 25, 2008

平成20年7月25日 

【ウナギの話】

今年は7月24日と8月5日が土曜の丑の日ですが産地偽装事件や中国産に発癌性のある抗菌剤が相次いで検出されたと言うニュースは丑の日のウナギの売上に大きく影響すると思われます。

最近の海洋調査の結果ウナギは太平洋のマリアナ海域付近で産卵が行われふ化しその稚魚が日本・台湾・中国の川に戻って来る事が判りましたが他の魚類と違い卵から育てる事は未だ出来ません。

従って天然の稚魚を捕えそれを養殖池で育てると言うことになる訳ですがこのところその稚魚が激減して居りその価格もそれこそウナギ登りで1キロ当り何と50万円もするのです。 ヨ-ロッパでも稚魚は捕れますがこれ又沼岸の環境の変化で量が激減して居り漁獲量は20年前の1/20との事ですから日本への輸出に回る様な状況ではありませんしジャポニカ種とは違います。

ニホンウナギの稚魚は台湾から過去には大量に日本に入って来て居ましたがこれも漁獲量減少を理由に禁輸となり日本の養鰻業者は頭を抱えて居ます。

日本人はウナギ好きで世界で獲れるウナギの約7 割は日本人の胃袋に入ると言われて居ますが天然物は全体の0.1%以下と言う事で庶民の口には入りません。 私も一度しか食べた事がありませんが価格は国 産ウナギの約3倍でした。 養殖と比べるとむしろサッパリした味で身がしまって弾力がありました。 ところが味は深くやはり天然物と言うのが食後感でし た。 養殖物はお腹が白いのですが天然物は黄色ですから一目で判別出来ます。

完全国産ウナギ(国産で周年飼育のウナギ)はこれ又全体の4% 弱で多くは「里帰りウナギ」と呼ばれる日本と海外の養殖場を飛行機で行ったり来たりするウナギとの事。 暖かい場所の方が成育が良いと言う事で台湾へ送り 成魚にして再度日本に持って来ると言うのですから航空運賃だけでも大変なコストですがこれが一般的な養殖ウナギの生産方法なのです。

数日前にNHKで台湾の養殖業者にインタビュ-して居ましたがその業者は「日本産より味が良いのに何故日本人は国産に固執するのか理解出来ない」と語って居ました。

ウナギはビタミン類が豊富で皮膚や粘膜を正常に保ち風邪等への抵抗力をつける上動脈硬化などの生活習慣病の予防にも効果がありますから是非皆さんには丑の日にはウナギを食べて頂きたいと思います。

井上  出

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