Tuesday, October 28, 2008

渋沢氏の話

平成20年10月28日

【渋沢栄一氏の曽孫渋沢健氏を囲む会】

日本イスラエル商工会議所(JICC)の10月例会に渋沢健氏を招き渋沢栄一氏の話に加え渋沢健氏が立ち上げた30年物投資信託の話を聞きました。

日本に近代産業を起し近代会社経営手法を導入した渋沢栄一氏の事は皆さん良く御存知だと思いますが渋沢氏が関与し設立した会社は500社以上あったと言う話には驚きました。

日本最初の銀行第一国立銀行を立ち上げたのも渋沢氏で東京都中央区日本橋兜町4-3がその銀行の発祥の地だとの事ですが設立に際し予定の出資金が仲々集まらず苦労した様ですがその際渋沢氏は次の様な発言をしたとの事です。 「銀行は大きな河の様な物だ。 銀行に集まって来ない金は溝に溜まって居る水やポタポタ垂れている滴と変わりない。」

近頃の若者は元気が無いと我々は嘆きますが渋沢氏は同じ様な苦情を発して居ます。 「老人が懸念する程に元気を持って居らねばならぬ筈であるのに今の青年は我々老人から”もっと元気を持て!!”と反対の警告を与えねばならない様になって居る。」

事業に取り組む姿勢として「何処までも大胆に剛健にやれ」と檄をとばして居たと言う事ですがこれは現代の事業経営上も心すべき事だと思います。

コーポレ-ト・ガバナンス(企業統治)がこのところ叫ばれて居ますが渋沢氏は多数株主から嘱託されて居ると言う事を自覚し自己所有の財産以上の注意を払って管理しなければならないと説いて居たとの事で公益企業を私物化した東京ガスの安西氏に聞かせてやりたいと思います。

論語と算盤と言う懸け離れたものを一致させる事が大事として正しい道理の富を求めよと説いた渋沢氏は論語の次の言葉を大事にして居られたそうです。

論語講義: 「雍也第六 20」

「子の日く。 これを知る者はこれを好む者に如かず。 これを好む者はこれを楽しむ者に如かず。」 物事を知る事は大事だが知る事よりも好きである事が大事で更に好きである事よりは楽しむ事が大事と言う意味だそうですが何事に取り組むにもその事を楽しむ心が大事だと言う教えなのです。

今回の例会から沢山の事を勉んだ様な気がします。

井上 出

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