平成20年7月4日
【刑務所が福祉の代替施設になって居る現実を変えよう】
過日老齢者の犯罪が増えて居てその多くが刑務所に入る為に犯罪を起して居る現状を
御伝えしましたが犯罪を繰り返し刑務所に何度も入って来る障害者も増えて居ると言
う状況を元衆議院議員の山本譲司氏が憂いて居ましたのでその事を御紹介します。
山本元議員は国会議員秘書の給与を詐取した罪で1年間程栃木県の黒羽刑務所に服役
したのですがそこで彼に与えられた仕事は知的障害者・精神障害者・認知症老人そし
て心身に傷害のある受刑者達の世話だったと言うのです。
山本氏は黒羽刑務所は法務省が傷害のある受刑者を集めた刑務所かと思って居たとこ
ろ近年の調査で全国の刑務所が同じ様な状態である事が判明し驚いて居るとの事です。
特に服役が2度目以降の「累犯者」を収容する刑務所では障害者の割合が高く山本氏
が最近訪れた累犯刑務所では受刑者の約6割が何らかの障害を抱えて居たと言うので
す。
一般刑法犯全体に占める60才以上の割合は30年前には3%にすぎなかったものが2006年
には18%に増え再犯者のうち65才以上で始めて罪を犯した人の何と約1/2の47%が1年以
内に罪を繰り返して居ると言う統計もあります。
身寄りも仕事もなく刑務所が唯一の居場所で刑務所に戻りたいが為に小さな盗みを繰
り返す例が多いと言うのです。 そしてその様な受刑者は病気持ちが多く手術を受け
る者も多いと言う事でその費用も膨大な物になりつつあると言うのです。
実社会で福祉から見放されホームレスやホームレスに近い生活を続けた揚げ句無銭飲
食や置き引きと言う軽微な罪で入所して来る人達そして知的障害があるにも拘らず障
害者手帖も持って居ない受刑者にも良く出会ったと山本氏は言うのです。
今刑務所はどこも定員オーバ-の状態で殆んどが狭い部屋に何人もで暮して居ますが
それでも年間1人当り300万円の費用が掛って居ます。 そこで山本氏はこの様な高額
な費用を掛けて福祉/保護の代行をせずに済む様にこの予算を福祉に振り向け罪を犯
した障害者を出所後に受け入れる福祉施設「障害者更生保護施設」の様な物を作るべ
きだと国に提案して居ますが私も大賛成で一日も早い実現を政府に求めたいと思いま
す。
昨日の朝日新聞によれば法務省は受刑者の高齢化に対処する為に今年度中に広島・高
松そして大分の刑務所にバリアフリーの「高齢者専門棟」を作ると言うのですがその
前に刑務所が唯一の居場所とならない様福祉の面でのケア-に予算を振り向ける事を
考えて欲しいのです。 縦割行政の日本ですから仲々他の部署と手を組む事は難しい
と思いますが高齢者の犯罪が急増して居る現実を認識し直ちに対策を講じて貰いたい
と思います。
先日朝日新聞の記者が死刑執行を連続的に行った鳩山法務大臣を「死に神」呼ばわり
をして問題になりましたが歴代の法務大臣が与えられた死刑執行を行わず先延ばしを
して死刑囚が100人を超えて終って居る状態こそ異状で鳩山法務大臣には引続き死刑
執行を進めて貰いたいと思います。
一般囚人はギューギュー詰めの大部屋でも年間300万円の費用が掛る事から全員個室
の死刑囚は1人年間500万円以上も費用が掛ると言われて居ますから100人とすると年
間になんと5億円以上が無駄に消費されて居るのです。 面白半分で法務大臣を「死
に神」呼ばわりする等問題外で年間5億円もの費用が死刑執行を無意味に引き延ばす事
によって発生して居ると言う事実をこそ問題視するのが新聞記者の仕事だと私は考
えます。
井上 出
0 Comments:
Post a Comment
<< Home