平成20年8月22日
【日本はアヘンならびにヘロインの売却益で軍費を賄って居た】
第二次世界大戦の日本の軍費の約半分が戦争末期には中国(満州)で生産されて居たアヘンやヘロインそしてモルヒネを売却する事によって賄われていたと言う事実を知り驚いて居ます。
これは8月17日のNHKの特別番組によって紹介されて居たものでその報道によればチャハル盟9県(河北省)の農民約100万人が3万ヘクタ-ルの土地で芥子(ケシ)を日本軍の指導下で生産して居たと言うのです。 そして加工工場では年間30トンの阿片が作られて居たのです。
当 初は阿片やヘロインの売却益は日本が満州をはじめ中国東北部の傀儡政府の資金源として居たものが拡大し関東軍の機密費調達目的となり更に戦争末期には日本 軍そのものの軍費の半分近くを賄う様になったと言うのですから信じられない話です。 尚当初は三井物産が中東からアヘンを輸入し日本軍に販売して居たと言 う記録も残って居るとの事ですがそれが中国での生産につながって行ったのだそうです。
特に阿片の生産販売拡大の為に日本軍は中国各地に4,000箇所を超える所謂阿片窟(鴉片所)を設置し阿片患者を増やし続けて居たと言う事実には怒りさえ覚えました。
大倉商事の子会社大蒙公司なる会社は阿片専門取扱い業者で関東軍特務機関の金庫には大量の阿片が収納されて居り現金が不足すると阿片を売却し現金を調達して居たと云うのです。
阿片は習慣性が他の麻薬より高い事から一度吸って終うと手放せなくなり阿片窟に入り浸りとなり食事も摂らず吸い続け次々と死亡して行ったのです。 そして死体は街に捨てられて居たとして生々しい写真が数多く写し出されて居ました。 浙江・江蘇・安徽の3省の人口が当時496万人程でしたがその3%がアヘン中毒患者であったと言う怖ろしい資料もあったと言う事でした。
日本軍は中国を麻薬と軍事力の両建で支配すべく工作して居り南京市の例によれば40万人の人口の中5万人が中毒患者だったと言うのですから恐ろしい事です。
第二次世界大戦は日本の様な小国が巨大な米国を中心とする世界の大国と戦った訳ですがピーク時には日本の軍費は国家予算の何と70%に達したと言うのですから麻薬の売却益なくしては日本は戦い続ける事が出来なかったと言う事実を知り愕然としました。
ヨーロッパも一時は阿片を利用し中国を支配しようとした歴史はありますが蒋介石に率いられた国民軍も奉天の工場でヘロインやモルヒネを生産して居りその工場を押えた日本軍はその生産設備を拡大し軍資金にして居たのです。
日米交戦中にも拘らず中国で日本軍によって生産されて居た麻薬は米国西海岸の業者にも流れて居り相当の利益を日本軍にもたらしたと言う話にも驚きました。
麻薬商売は当初は軍部が表面に出ない様慈善団体宏済善堂と言う民間会社を使って居たのですが7~8ヶ月間の営業の後興亜院と言う日本の国営企業が引き継ぎ急拡大して行ったとの事でした。
宏 済善堂なる会社を経営して居た里見甫(中国名李鳴)なる男は当時アヘン王と呼ばれ東条英機と共謀して麻薬を取扱って居たと言う事で東京裁判で裁かれたので すが全てを告白した事とあくまでも日本軍によって命令されて従ったのみと言う事で無罪放免されたと言うのですがこの辺のところは釈然としませんがこんな裁 きがあった事を知りました。 尚この男のアヘンの年間取扱額は現在の物価換算で年間560億以上であったとの事。
8月4日 付けの私のブログでアフガニスタンが現在麻薬の世界最大の生産国でその利益はアフガニスタンの国家予算をはるかに上回って居ると御伝えしましたが日本が中 国で犯したと同じ事がタリバン一派達によって行われて居る事を悲しく思います。 麻薬を地球上からなくす為に国連は核兵器問題・地球温暖化問題と併せ真剣 に取り組んで行く必要があるのです。
井上 出