景気の行方
平成20年8月21日
【米景気回復は来年後半以降か?】
米経済の先行き不透明感は消えません。 サブプライム問題に加え原油高・住宅価格急落そして失業率の上昇とあれば景気の牽引役である個人の消費が伸びる訳がありません。
特にサブプライムに端を発した金融不安は日本で起きたバブル崩壊後同様銀行の倒産を生み今年に入って8件目の倒産はファースト・プライオリティー・バンク(フロリダ)でFDIC(米銀行預金保険公社)が預金者1人当たり10万ドルまで保護すると言う事ですが唯でも貯蓄率の低い米国で更なる銀行離れが進んで居ます。
サブプライム住宅ローン関連の損失は過去1年間で合計約2,000億ドル(約21兆1,000億円)と言われて居り、サブプライムローンのみならず返済能力が高いと見られて居た通常の住宅ローン利用者も住宅価格の平均20%と言う大幅下落の影響でその焦げ付きが広がって来て居ます。 さらにクレジットカードでの融資や自動車ローンの焦げ付きも増加中と言う事ですべてが米国経済の回復の足を引っ張って居ます。
日本でも有名なコーヒーチェーンの最大手スターバックスは米国内で合計600店舗の閉鎖を決めて居り他の外食や小売りの大型チェーンがガソリン高や消費不振で次々と閉店に追い込まれ結果として米国のショッピンッグセンタ-の空室率は急上昇し13年ぶりの高水準を記録して居ます。 因みに今年の4月から6月期の空室率は平均8.2%に達して居ます。
サービス産業や外食産業に於ける失業率の上昇も大きな問題ですが米自動車大手のクライスラ-は今秋をめどに米国内の工場で週休3日制を導入すると8月11日発表しましたし全ての自動車メ-カ-で人減らしが進行中です。
個人消費が戻らなければ景気の回復は不可能ですがこのところ米国でも物価が上昇中で消費者の財布の紐は固くなる一方ですから年内に景気が回復する可能性はありません。
従って米国の景気回復は来年それも後半と言うのが私の個人的見解です。
井上 出
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