Thursday, October 16, 2008

米ロと世界経済

平成20年10月16日  

【米ロの冷戦の今後と世界経済】

ロシアのグルジア侵攻の結果米ロの関係は急激に悪化しました。 又EUとロシアとの関係も天然資源が豊富でしかも広大な穀倉地帯を有するウクライナや資源輸送の要衝であるグルジアが共にEU加盟と北大西洋条約機構(NATO)への参加を目指して居る事によって大変微妙な状況に置かれて居ます。

既にEUは旧ソ連のバルト三国を含む27カ国に加盟国を拡大して居りロシアにとっては大変な経済的且つ軍事的な脅威になって来て居る事は充分考えられます。 従って今回のグルジア侵攻は経済的軍事的国境線守護の防衛戦と言えましょう。

最近の天然資源高で大きく潤って居るロシア経済ですがこのところ石油をはじめ天然資源の価格が下落し始めて居る事から危機感を持って居りこれ以上EUがロシア圏を侵蝕する事は許さないと思われます。

米国はブッシュの長期政権が続きブッシュの「TAKE IT OR LEAVE IT」つまりは「YES」か「NO」かと言う一方的な自己中心的な外交政策によって世界中の国々から反感を呼び特にブッシュの唱えた所謂「民主化外交」は各国の事情を一切考慮しない押し付けとなり受け入れられなくなって居ます。

今回のサブプライム・ローン問題が引き金となった世界規模の金融危機を生み出した米国はもはや世界の経済のリ-ダ-の地位を失ったと言えましょう。

ライス米国務長官は「ロシアの地位は冷戦後最悪」と非難しましたが昔の様な冷戦関係に戻る可能性は低いと思われますし今回のグルジア問題が世界経済に与える影響は殆どないと考えます。

中国と違いソ連は沢山の経験と学習と通じ世界の中でどの様にして生き残って行くべきか充分承知して居る事から今回の一時的な米国との冷たい関係は解消に向かうと思われます。

井上 出

0 Comments:

Post a Comment

<< Home