Friday, March 21, 2008

富山の薬売り

平成20年3月21日

【富山の置き薬(売薬)】

私が子供の頃は町に薬局は少なく代りにどの家庭にも富山の置き薬があったものです。 「越中富山の萬魂丹鼻糞丸めて萬魂丹」等と揶揄した事を想い出します。 私は腸が弱く良く下痢をして記憶が正しければ「赤玉」と言う丸薬の御世話になったものです。

日本の医薬品産業の発祥地は大阪の道修町(どしょうまち)と言われて居り約400年前に和漢薬の原料を扱う商人が集まる様になり1722年には124軒の薬種問屋が存在したとの事です。

その後(江戸時代)加賀藩から分家した富山藩の二代目藩主前田正甫が「反魂丹」と言う腹痛薬を富山城下の薬屋に作らせ諸国に売りに行かせたのが富山の置き薬の始まりだそうです。この前田正甫と言う人は産業振興に大変熱心な人だったと言われて居ます。

富山の置き薬は所謂委託販売でお客に預けた薬箱の中から使用された分のみ代金を貰い欠品を補充すると言う方式で全国に広く普及したのです。 併し最近はドラッグストアが沢山出来又24時間営業の店まで出来た事から富山の置き薬は農村や漁村を除いては見られなくなって終いました。

井上  出

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