Tuesday, March 18, 2008

キューバ問題

平成20年3月18日

【キューバはカストロ引退で変るか?】

49年間の長きにわたりキューバを支配し絶対的権力を誇ったフィデル・カストロ氏は高齢である事(81才)と病気が重く政務を続ける事が難しくなった事から実弟のラウル・カストロ氏に権力を譲る事になりました。 共産主義国家の世襲等許されるべきものではありませんが北朝鮮の金氏の例もあり権力の移行はスムーズに進んで居る模様です。

併しラウル・カストロ氏も76才であり近い将来又その権力を次の世代に引き継ぐ必要があります。 米国との対立の結果ソ連と急接近し支援を受けて居たキューバは冷戦の終結にともないロシアからの援助が途絶え疲弊し90年代には暴動が起きる迄追いつめられたのですがこのところ政情は落付いて居ます。 併しあまりにも貧しい現実は北朝鮮同様溜った国民の不満が爆発し革命が起きる可能性を常に孕んで居ます。

ラウル氏の後任議長としては52才の国家評議会副議長であるカルロス・ラヘ氏が有力と言われて居ますが外相のフェリペ・ペレス氏(42才)が二階級特進で議長になる可能性も否定出来ず若しペレス氏が議長に選ばれる様な事があればキュ-バも大きく改革に向け舵取りをする事になる事でしょう。

後進国の中では教育水準の高さや医療制度の確立と言う点では抜群でカストロの業績として教育と医療は高く評価されます。 特に医療に関しては世界各地の災害現場にキューバから派遣される医療チームのレベルとその活躍振りは良く知られて居ます。

併し国民の所得は極端に低く平均月収は300ペソ(約1500円)程度ですから違法ビジネスが盛んです。 又言論統制も厳しく個人が衛星放送を見る事は禁止されて居ますがコッソリダビングしたテープがレンタルされて居る事もあり国民は他国(特に米国)の生活水準の高さを知り何時か機会があればキューバを脱出し米国に移住したいと皆夢見て居り小舟に乗っての国外脱出は後を絶ちません。

北朝鮮同様国民の不満が再び爆発しない様カストロの退陣を契機に民主化を進める必要があると思われます。

井上  出

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