Friday, November 30, 2007

八百長相撲 (2007/11/30)

平成19年11月30日

【八百長相撲が江戸っ子を喜ばした話】

元力士による内部告発の様な形で最近の相撲界の八百長が週刊誌を賑わし裁判問題にまで発展し唯でも相撲人気に陰りが見えて居る時に残念なニュースです。 過日の力士の死亡事故や横綱の二場所停止処分等もあって私の様な相撲大好き人間にとっては悩ましい事が続きます。

その様な状況下茨城大学准教授(助教授)の磯田道史と言う人が人情相撲として江戸っ子を喜ばせた八百長相撲を披露して居ましたので御紹介します。

谷風梶之助と言う名横綱(1750-1795年)は勝率9割以上でその強さは神の域だったと言います。 この谷風が生涯に一度だけ八百長相撲をしたのです。 その相手が相撲の弱かった佐野山と言う力士だったと言うのです。

この佐野山は「貧乏佐野山」と呼ばれる程貧乏で借金まみれ従って親が病気をしたにも拘らず医者を呼ぶ金もなく近くのお宮で水を浴び神頼みをして居ると言う話を聞いた谷風は佐野山の家を訪れ名医を手配し薬代を置いて来たのですがそれだけではこの佐野山は貧乏から抜け出せないと知って谷風は一計を案じたのです。

そして特別に仕組んだ佐野山との勝負に谷風は負けてやったのです。 佐野山が谷風を破ったと言うので御祝儀金が雨あられと降りそそぎ佐野山はそれで借金を完済し故郷に帰って米屋になったと言う事です。
後日これが八百長相撲であった事が発覚したのですが江戸っ子達は「いい話じゃねえか人情相撲だよ」とこの八百長相撲を称えたという事です。 こんな八百長相撲の話を聞きたいですね。

井上  出

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