Wednesday, October 11, 2006

イノさんの文箱 (2006/10/10)

「プ-チン政権の腐敗と独裁」

ロシアの女性ジャ-ナリスト、アンナ・ポリトユクスカヤさんが10月7日モスクワの自宅のアパ-トのエレベ-タ-の中で銃殺されました。 アンナさんはノ-バヤ・ガゼ-タ紙の評論員として特にチェチェン共和国に対するロシアによる侵攻に対して痛烈な批判を加えたばかりではなく、「チェチェン、やめられない戦争」と言う著書でプ-チン政権の言論統制に対して攻撃をした事から当局に命を狙われて居ました。

現実に2004年の北オセチア共和国で起きた学校占拠事件で、現地に向う折機内で何者かに毒をもられ重体になった事もあります。 それでもアンナさんはロシア政府攻撃の手を緩める事はなかったのです。

アンナさんの上司であったノ-バヤ・ガゼ-タ紙の副編集長のヤロシェフスキ-氏によれば、アンナさんは10月9日付の紙面に向けてチェチェン共和国で行われて居る当局による拷問行為についての記事を準備して居たと言うのですから、ロシア政府にとっては目障りだった事間違いありません。

アンナさんは著書「プ-チニズム」の中でプ-チンを真向から批判して居ます。 彼女はロシアの殆んどのテレビや新聞が政権の影響下にあり政府批判を行わない現実下にありながら下記の様にプ-チンを批判して居ます。

「何故私はこれ程プ-チンが嫌いなのか。 単純さ、冷笑、人種差別、モスクワ劇場占拠事件で使用した毒ガス、嘘、罪なき人々の虐殺のためだ !!」と述べて居ます。 当局からの迫害を受け続けながらもそれに屈する事なくジャ-ナリストとして立派な一生を貫いたアンナさんの冥福を祈ると共に、ロシアが共産主義社会ではなく昔の帝政ロシアの様な恐怖政治下にある事を皆さんに知って頂きたいと思います。

井上  出    (06/10/10)

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「アウシュヴィッツに於けるユダヤ人大量虐殺のこと」

10月4日に阿部基治さんとお会いしアウシュヴィッツを訪問された際の印象やその折心に浮んだ事他を詳しく御聞きし又数々の写真を見せて頂き、改めてその残虐非情なナチの連中の行為に心の底から憤りを感じました。

阿部さんが推選して居られる中谷剛と言う人の書いた「アウシュヴィッツ博物館案内」も見せて頂きましたがこの中谷さんと言う著者は未だ若い人で現在アウシュヴィッツ内で日本人向のガイドの仕事をして居られるとの事ですが、阿部さんの御説明によれば素晴しい人柄の方で心からナチによる残虐行為を憎み日本から来る人々の心に訴え掛けて居られるとの事でした。

ホロコ-スト教育資料センタ-の石岡史子さんの話も感動的でした。 ハンナ・ブレイデイと言う女の子がどんな気持で収容され死んで行ったのかと思うと涙が溢れて来ます。 アンネの日記は映画化もされ世界中の沢山の人に訴え掛けましたが、ハンナ・ブレイデイの話も映画化しアウシュヴィッツで行われた事が人間として絶対に許されない行為だったと言う事を改めて今の若い人達に知らしめる必要があると思います。

阿部さんとも話し合ったのですが米軍が第二次世界大戦末期に行った東京や横浜をはじめ主要都市を対象に市民を無差別に殺害した絨毯爆撃や広島、長崎に投下された原爆は絶対に許す事の出来ない犯罪行為であって、日本政府は米国政府に対しその謝罪と補償を要求し被害者への補償を行わなければなりません。 米国に対し自由に発言する事の出来る日本になる事で米国の植民地日本ではなく独立国日本である事を世界に示して貰いたいと私は願い続けて居ます。

作家の多和田葉子と言う人が阿部さんと前後してアウシュヴィッツを訪問した模様で、9月30日の朝日に訪問記を掲載して居ましたので御紹介したいと思います。

「敷地全体に息を押し殺したような雰囲気があった。 敷地面積は膨大で高圧線の張り巡らされた囲いの外にある森がはるか遠くに見えた。

門の近くにはバラックが60年前のまま立って居てその中は薄暗く牛舎を思わせる。 真中にはズラリと二列に並んだむき出しの穴がありこれがトイレらしい。 展示されて居る到着直後の写真の中には東方に移住させられただけだと思っていた為に旅行者の様に笑って居る者も居た。

此処では1日に1,000人以上の人が毎日殺され1940年にこの施設が出来てから1945年にソ連軍が解放する迄の5年間に休みなく大量殺人が行われ死者総数は百数十万人を超えたと言われて居る」

米軍による日本人の大量虐殺(原爆は間違いなく虐殺行為です)と併せナチによるユダヤ人の大量虐殺もこの世界に2度と起らない様、若い人達に映像を通して今後も繰り返し訴え続けて行く事が世界平和実現の為に不可欠だと私は考えます。

井上  出    (06/10/10)

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