Thursday, September 21, 2006

イノさんの文箱 (06/09/20)

「日本に於ける英才教育について」

過日トヨタが中心になって作られた英才教育(将来の日本のリ-ダ-を育成する教育)の場を御紹介しましたが、今日は福岡市から遠く離れた郊外都市大宰府のはずれに位置する総工費50億円を掛けて新設した福岡リンデンホ-ル小学校について御伝えしたいと思います。

50億円も掛けたと言う事になると我々商売人は直ぐこんなに金を掛けて果して採算が取れるのだろうか?と考えるのですが、勿論利益等何時になったら出せるのか疑問と言う事の様です。

では何故?と言う質問が出ますが、それはこの小学校が都築総合学園と言うグル-プによって経営されて居るから存続出来るのです。 このグル-プは幼稚園、中学校、高校、短大、大学それに加えて専門学校等合計56校を全国的に展開して居ると言う学校法人としては大手なのです。

それではこのリンデンホ-ル小学校の授業料はいくらかと言うと初年度の入学金が60万円、年間の授業料は約120万円と言う事ですから米国にある一流私立小学校と殆んど変らないレベルの授業料と言う事になりますのでとても50億円の投資を回収する事は出来そうもありません。

このリンデンホ-ル小学校は全て英語で学ぶとの事で、寮もあり遠方の子供は寮生活をして居るとの事で最年少は6才との事。 寮の中も英語との事ですから寮生は24時間英語漬けと言う事になります。 1学年26名に対し二人の教師が担当する事から全員に充分目が届くと思われます。

17,000㎡の広いキャンパスの中には池もありタ-ザンロ-プ、吊り橋等が備わった自然林のフィ-ルドアスレチックがありグラス・スキ-のコ-ナ-まで作られて居ます。

更に畑と田んぼもあり教育の一環として野菜やお米も作らせるとの事。 一方茶室があり茶道の勉強をするばかりではなく茶碗を焼く工房も備えてあり、しかも米を収穫した際出た藁を焼いた灰を釉薬に使うと言うのですから徹底して居ます。

英語で教育が行われますが教科書は各学年各に日英の2冊で、あくまでも文部省認定の日本語の教科書がベ-スになって居りその英訳した物で学ぶとの事。

静岡県沼津市にある加藤学園にも幼稚園から高校まで授業は英語と言うバイリンガルコ-スがあり、高校卒業生として第二期生が今年も卒業し米国の一流大学に進学する学生が続出して居ると同時に国内の一流大学への入学者も多いとの事です。

このバイリンガルコ-スは10名に1人教師が配置されて居り全員に充分に目が届き、それぞれの個性を生かす為の教育が行われて居ます。 この学校では日本語と英語のどちらもマスタ-出来る様にする為に小学校1年生でも年間授業約1,200時間と文科省の定める授業時間782時間をはるかに超える時間数の授業を行って居ます。

最近英語学習中心の学校が注目されて居りこれからも全国に増え続けるであろうと思われますが、果して日本を代表する様なリ-ダ-がこの様な学校から生れるかどうかは未知数ですが、少なくとも外国人と英語で充分に意志の疎通がはかれる様な人材が育つ事は間違いないと思われます。

以上、日本の学校教育の変化について御伝えしました。

井上  出    (06/09/20)

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「DDTの復権」

マラリアで毎年死亡する人の数は遂に昨年100万人を超え更に増え続けて居ます。 アフリカがマラリア患者が最も多い地域で、マラリアを媒介する蚊を撲滅する為に最も効果のあるDDTの使用禁止がマラリアの蔓延を押えられなくなった最大の原因なのです。

DDTは一度散布されるとその効果が持続し害虫駆除効果が絶大ですが、その為に生態系を破壊し又人体に入った場合仲々体外に排出されず癌の発生原因にもなると言う事でWHO(世界保健機構)はその使用を長い間禁止して来ました。 併し最近の研究の結果、従来言われて居た副作用や色々の問題点が否定される様になって来た事と、何としてもマラリアの患者の増加を止める必要があると言う事情が今回のWHOの結論が出た理由の様に思われます。

私の父の兄弟は北海道の十勝で農業を営んで居り、私は夏休みになると当時居住して居た岩手県の盛岡から十勝に遊びに行きましたが、本土と北海道を結ぶ青函連絡船に乗船する際には米兵によるDDT散布が行われて居ました。

農薬用噴霧器で首(襟元)のところから猛烈な勢いで大量のDDTが洋服や下着の中に噴霧され、函館に居た祖父の弟の家に着くと先づ洋服を脱いで大量のDDTを身体から取り除いたものです。

当時蚤や虱は本土中に広がって居た為それが北海道に入り込まない様こんな手荒な事が行われたのだと思われますが、当時このDDTによって蚤や虱の他に南京虫や蚊も駆除されたのです。 大掃除で畳を上げ日光に干した後新聞紙の上にDDTを大量に散布し虫の発生を押えると言うのは一般家庭で広く行われて居ました。

そんな風に当時はDDTは全国で広く使用されて居ましたがその為に発病したと言う話は聞きませんし、私自身ピンピンして居ますから再使用で大きな問題が発生する可能性は低いと思います。 DDTが再び世界中で使用されると言うニュ-スに戦後の混乱期の生活を想い出し、良くぞ此処迄日本は復旧発展したものだと思うと感慨無量です。

井上  出    (06/09/20)

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