Thursday, October 23, 2008

百貨店凋落

平成20年10月21日

【百貨店の凋落急】

日本に於ける百貨店のはしりと言われて居るのは1895年(明治28年)に三越がガラス張りの陳列ケ-スを採用したのが最初でその後1900年になって三越が従来の対面販売から陳列売り場に変えたと言うこのあたりが百貨店の歴史のスタ-トと思われます。

1914年(大正3年)にはその三越がライバルの白木屋や松屋に対抗しルネサンス形式による地上5階地下1階の当時としてはニュ-ヨ-クの摩天楼にも匹敵する様な大きな鉄筋の建物を造り世間を驚かしました。

この建物の設計者は横河民輔と言う人で三越本店完成の3年前に帝国劇場も設計して居ます。 そんな事もあって当時のハイソサイティ-の人達は帝劇や三越に足繁く通って居た様です。 そしてその頃の帝劇のパンフレットには「今日は帝劇明日は三越」と言う宣伝コピーが載って居たそうです。

その三越が後発の百貨店の伊勢丹に実質的には買収されたと言うニュースには皆大きなショックを受けましたが今度は高島屋とエイチ・ツ-オ-・リテイリング(阪急/阪神)が合併と言うのですから百貨店は今大変な時代を迎えて居ると言う事が判ります。

高島屋も松屋も8月の中間決算は売上高が3~5%減少し経常利益は15~62%と落込んだと言うのです。 そして回復の兆しは全くないのです。

この様な傾向は日本のみならず米国でも起きて居りニ-マン・マ-カスの売上は12.9%下落、ノ-ド・ストロ-ムも9.6%の売上減少、サックスは10.9%ダウンと日本以上の落込みです。

一方ディスカウントストアの雄であるウォルマ-トストア-ズと会員制量販店のコストコ・ホ-ルセ-ルはウォルマ-トが2.8%、コストコ(米国ではコスコと発音します)が何と7%の売上の伸びを見せて居り日本でも消費者の低価格志向が今後強まって行く事が予想されます。

合併を繰り返し何とか生き残りを図ろうとする日本の百貨店業界に将来の展望は開けそうもありません。

井上 出

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