Wednesday, October 01, 2008

退潮の米国

平成20年10月1日

【世界に於ける米国の退潮顕著】

ベネズエラは反米主義に加え資源ナショナリズムを掲げ国内の外国資本の追い出しを図りましたが南米ではこのところ左派による政治支配が急速に広がり61年間の保守親米政党が遂に政権の座を降りたパラグアイが南米の左傾化を改めて世界に示しました。

ボリビア・エクアドル・パラグアイ・ベネズエラと今や4ヶ国が米国離れをした事から米国の南米に於ける影響力の低下は更に進んで居ます。

米国の影が薄くなって来た南米諸国はブラジルを中心に地域の自立志向が高まって来て居り米国の裏庭と呼ばれ米国に対し「御無理御尤も」と盲従して来た南米諸国は大きく変りこのところ中国やロシアに傾斜し始めて居ます。

御承知の様に国際貿易の決済に使用する通貨はドルが殆どでしたがこのところドル離れが始まりました。 石油取引は従来は全てドル決済でしたが最近はユーロによる取引も始まりました。

6月24日の新聞報道によればブラジルとアルゼンチンが10月から両国間の貿易を「米ドル抜き」決済にする事に合意しました。 ブラジル貿易協会によれば4%程度のコスト削減になると言うのですから他の南米諸国が追従する可能性があります。

従来はブラジルのレアルから米ドルそして米ドルからアルゼンチンのペソに交換しなければならず交換の手数料が2度掛かって居たものが直接の取引で大変な節約になるのです。

米国のこのところの金融危機はこの様な動きを更に加速する事になり米国の退潮は今後も急速に進むと思われます。

井上 出

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