Wednesday, April 09, 2008

景気後退

平成20年4月9日

【米国景気後退顕著】

サブプライムロ-ン問題を切っ掛けとした金融資本の下落で世界の金融機関の損失は今年末迄に4,000億ドル(約40兆円)に達すると米大手証券であるリ-マン・ブラザ-ズが試算をまとめました。

リ-マン・ブラザ-ズによればサブプライム・ロ-ン問題が表面化した昨秋から直近までに計上された評価額の総額は既に2,900億ドルに達して居りこれから年末迄に更に1,000億ドル以上の損失が発生すると言うのです。

併しリ-マン・ブラザ-ズの試算は楽観的だとして6,000億ドルから1兆2,000億ドルに達するであろうと言う経済学者も居る事から4,000億ドルで治まるかどうかと疑問視する人達が多いのです。 IMFからは9,450億ドル(約100兆円)との試算も出て居りむしろこの数字が実数に近い様に思われます。

いずれにしても大変な事態で世界経済に大きく影響し景気の足を引っ張る事は間違いありません。 特にサブプライムロ-ン問題の発生した米国の景気は当分回復が期待出来ないであろうと言うのが一般的な見方です。

雇用悪化の長期化による失業率上昇遂に5.1%、米国経済の中心である個人消費の冷え込み、自動車ロ-ンの延滞率が15年9ヶ月ぶりに2.65%と言う高水準に達した事、新規失業保険申請が40万7,000件に急増した事他米景気後退は急速に進んで居るのです。

金融システムの安定化・住宅ロ-ン市場の再生の為米国政府は所得税の還付のみならず景気対策や更なる利下げ他を至急に実行する必要がありますが長引く懸念の出て来た米経済の低迷は簡単には改善出来ないレベルにまで達して居ます。 そして回復には今後一年位は必要となりましょう。

従ってドルの復活には暫く時間が掛りそうでドルの独歩安は当分続くと私は見て居ます。

井上  出

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