Friday, March 07, 2008

大学院全入時代

平成20年3月7日

【博士離れ進行中(大学院全入時代到来)】

私の父は晩年麻布獣医大学で教えて居ましたが博士号は持って居ませんでした。 父は「博士号など暇と金があれば馬鹿でもチョンでも取れる」として「無冠の帝王」等と空威張りして居ました。 そこで私が「お金を出すから挑戦して見せてよ」と冗談半分で揶揄したところ出身校は東大ですが麻布獣医大で博士論文を提出し70才で博士号を取得しました。

これには驚きましたがその後博士論文の英訳もし現在その論文は米国の国会図書館に収納されて居ます。 有言実行を目のあたりにして「とても親父を追い越せない」と自覚した事を想い出します。

その博士号取得の為の全国の大学院博士課程では2007年度の入学志願者の競争倍率が1倍を割り込み事実上の全入状態が発生して居るのです。 文科省によれば2007年度の博士課程の入学定員23,400人に対し志願者は20,800人だったと言うのです。

大学院に進学しても終了後の就職率が低い為将来の展望が不透明で不安と言う事で学生が敬遠して居る事が原因と言うのですが大学全入時代突入前に大学院の全入状態が既に発生して居るのです。

特に応募倍率の低いのは工学系で0.65倍・理工系が0.69倍と言うのですから物作りを担う分野の指導者層が特に不足して来る事明白で日本の将来にとっても大変深刻な問題で国としても奨学金の増額や卒業後の就職について産業界とも提携し状況改善に取組んで貰う必要があります。

井上  出

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