Friday, May 11, 2007

イノさんの文箱 (2007/05/09)

平成19年5月8日

貸切バス運転手の過重労働

このところ貸切バスの事故が続いて居る事から先日NHKで貸切バス運営会社ならびに運転手の勤務状況を取り上げていました。 

その番組を見て事故が起きないのが不思議な位だと思われた人は大勢居られると思います。

旅行社間の競争の結果その下請けであるバス会社は毎年その運賃が下落して居り適正価格の1/2と言うのは今では一般的と言うのですから運行の為のコストを下げる為にどうしても安全面で問題が出て来て居るのです。

又運転手の勤務状態は昔の飯場暮し並で1週間に1回しか家に戻れないと言う運転手が多いのには驚きました。 

バスの中での仮眠そして会社に戻っての二段ベットでの睡眠は慢性的な疲労を運転手に強いる事になり、どの運転手も疲れ果てた表情をして居りこんな人達に命を委ねるのは御免蒙りたいと思いました。 そんな過酷な労働の報酬が何と34~35万円/月と言うのですから年収にしても400万円程度です。 

都バスの運転手の年収の1/2ですからひどい話です。

登場した運転手の1人は家族の為に30万円を送金し自分の小遣いは数万円です。 唯ひたすら家族の為に働き月に1回しか家には戻れないと言う事でした。 

これはとても健康で文化的な生活とは程遠い暮しで何時倒れても可笑しくないと思いました。

規制緩和の結果2004年度の国交省の調査によれば全国に3,700社バス事業者が存在しその他にも無許可の業者が白ナンバ-で営業して居ると言うのですから間違いなく過剰でその為に価格競争が加速して居るのです。

東京から大阪迄はJRの自由席で1万円位と思いますが夜行バスの中には4,000円を切るところまで来て居ると言うのですから値引合戦の激しさが判ります。 

国交省はこの状況を改善する為に本腰を入れて取り組んで貰わなければ今後もバスの事故は増え続けます。

井上 出 (07/05/09受信)

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