Tuesday, November 14, 2006

イノさんの文箱 (2006/11/12)

「前財務大臣塩爺さん85才にして益々元気」

私が常務理事を務める異業種交流の日本の草分けと言える文京区内の社長の集まり「文京人懇談会」は30年前に全国法人会の会長であった金原出版社長の金原四郎氏と講談社の野間社長そして日本信販の創業者山田氏の3人を中心に生れたのですが今尚健在で、現在は湯島天神の宮司押見氏を会長として活発に活動を続けて居ます。

今回は前財務大臣塩川正十郎氏を招き、「安部新内閣と21世紀の日本」と言うテ-マで10月18日に講演をお願いしました。 塩川氏は現在東洋大学総長の他、日本武道館会長・関西棋院理事長・日本相撲協会運営審議会委員など数々の要職を務めて居られます。

2003年10月に政界を引退した後も政治のご意見番として関西地方のTV中心に出演し、歯にきぬを着せない語り口で時にはマスコミ批判も強烈に行う事から沢山のファンを持って居ます。

若い頃には「瞬間湯沸し器」と呼ばれた位短気で直ぐにカットなる性格だったと言うのですが、最近は外見上は温厚になり気さくな好々爺と言う感じでした。

当日は午前中大阪でTV対談を終えた後2時からの講演会と言う事で、大変忙しいスケジュ-ルだった様ですが全く疲れを見せず、椅子を用意して居たのですが「椅子はいりません」と言う事で1時間半直立不動の姿勢で講演され、更に30分程質疑応答に時間を割いて頂きました。

95才の聖路加国際病院の日野原先生が今でも階段を2段づつ昇られる話を披露したところ、「わしも頑張らにゃいかんな」と笑顔で答えて居られました。

講演のテ-マである安倍新首相については一応合格点と言う事でした。 政界やマスコミが若すぎると批判して居る事についてはプ-チンもブレアも伊太利の首相も1950年代である事から決して若すぎるとは言えないと言う発言でしたし、政界経験も13年もあれば充分との御意見でした。

21世紀の日本については教育の重要性を強調して居られました。 そして今後は教育改革に自分自身も関与して行くと言う強い意志を表明して居られました。 学徒出陣で東洋大学も300人の学生を戦争で失ったとの事ですが、その学生達を顕彰する為に記念碑を大学のキャンパス内に今年建立されたとの事を知り、昭和生まれの明治育ちの私とは共通語を話される方とお見受けしました。

井上 出    (06/11/08記、12受信)

* * * * *


「アウシュビッツの公式ガイド中谷剛さんの事」

先日阿部基治さんのアウシュビッツ訪問記を読ませて頂き、その後お会いしお話を聞かせて頂きました。 その際アウシュビッツ唯一の日本人ガイド中谷剛さんについてその印象を語って居られましたが素敵な青年であったとのお話でした。

立教の後輩で作家の伊集院静氏が5月にやはりアウシュビッツを訪問し中谷剛さんのお世話になったと10月22日の日経の文化欄に書いて居ましたが、その中谷氏の第一声が「ようこそ!!」と言う物でその言葉がとても新鮮に聞こえたと伊集院氏は語って居ました。

更に中谷さんの人柄の素晴しさとやわらかで美しい日本語に感動したと同時に現在考証されつつある問題点を中谷氏から教えられたと書いて居ました。 その問題点と言うのは中谷氏の発言によるとつぎの様な物だったそうです。

「ナチスドイツだけが罪を犯したのではなく、あの当時ヨ-ロッパ各地から連行されてきたユダヤ人達を送り出した人の中には兵隊だけではなく一般の人達も居ました。 独裁者や一部の人達だけがこの悲劇を生んだのではありません」と言うものであったとの事ですが考えさせられました。

東京で戦争中に噂に乗せられて朝鮮人を虐殺した過去がありますが、一部の過激派に加担して虐殺に加わった一般人が大勢居た事を想い出し、人間の残虐性をあらためて悲しく思います。

伊集院氏は次の様な文章で彼のエッセ-を締め括って居ました。
「帰国して後も私の耳の底にようこそと言う中谷さんの言葉が消えずに残って居ます。 それは人間の尊厳を学ぶ時間を告げる声であり、気品ある日本語の響きだった。」
こんな素晴しい若者に会えた阿部さんを羨ましく思いました。

井上 出    (06/11/12受信)

* * * * *


「木材ならびに関連製品消費削減と国産材利用を!!」

御承知の様に日本の国土の2/3は森林です。 併しその国産木材が利用されずに日本の森林は荒廃して居ます。 全体に占める人工林は40%ありますが折角植林したにも拘らず、その人工林は価格的に輸入木材に対抗出来ない為に使用されず林業は衰退して居ます。 この際政府は補助金を付けてでも国産材利用を推進する必要があるのです。

現在日本で消費されて居る木材の中で国内木材は18.2%にすぎず81.8%は輸入材なのです。 その輸入材の内訳は下記の通りです。
(1) 米国材 22.6%
(2) 南洋材 18.2%
(3) 北洋材  7.8%
(4) 欧州材  6.1%
(5) その他  31.4%
上記の(5)のその他はオ-ストラリア、ニュ-ジ-ランド、チリ-他です。

木材は紙を作る為のパルプチップが全体の消費に占める割合は41%で、家具・家・建物用製材木材40%、そして合板用が15%、その他4%となって居ます。 又紙の原料は60%が古紙ですからリサイクルはかなり進んで居ますが、膨大な紙の消費の結果パルプチップの需要は増え続け居り、輸入量も毎年増えて居ます。

日本向輸出として特に後進国では木材の新規伐採が進んで居り、伐採後の植林が充分に行われて居ない為に世界中で森林は減る一方で、CO2を吸収して呉れる森の復活に各国共に努力する必要があります。 同時に木材や関連製品の無駄遣いをなくす様ダイレクトメ-ルの規制も考えなければならない時期が来て居ると思いますし、間伐材の利用と廃材の再利用も政府と建築業界が共同して検討して貰いたいと願って居ます。

井上 出    (06/11/12受信)

* * * * *


「カナダの保守党の政策変更」

11月8日の貴メ-ル拝受しました。 民主党の保護主義が米加間の通商関係に影響する可能性があると知りました。 ブッシュ敗退を喜んでばかりはいられない訳で対日政策にも変化が起きる事になりましょう。

私も不勉強で「インカム・トラスト」なるものが何か知りませんでした。 併し保守党のバックボ-ンである経済界を敵に回してまで「インカム・トラスト」の拡大にストップを掛けた英断に私は拍手を送りたいと思います。

日本の政治家達には出来ない事で、自民党も農民の方ばかり見て居たのでは世界中から批判を浴びる事になり、自由貿易協定の締結が仲々進行しません。 少しはカナダの保守党を見習って貰いたいと思います。

井上 出    (06/11/10記、12受信)

* * * * *


「馬鹿ブッシュ敗退大歓迎」

アメリカの一般大衆もようやくイラク戦争が誰の利益の為に始まったかそして「米国内でのテロ発生を阻止する為の戦争」等と大量破壊兵器が見つからなかった事から主張を変えたブッシュの嘘を見破った様で、常識を取り戻したアメリカ人に一安心です。

併しブッシュは後2年も大統領の地位に居続ける訳で大きな政策変更は難しい様に思われます。 無意味な戦争を始めた結果3,000人ものアメリカ兵の命を失った事に対する責任を取ると言うゼスチャ-でラムズフェルド国防長官を解任しましたが、そんな小手先のマヤカシで世論の攻撃を弱め様等とんでもない話でブッシュ自身が辞任すべきです。

格好ばかりつける知能指数の低いテキサスのカ-ボ-イであるブッシュを再選したアメリカ人に結局は付けが回って来た訳で、人的犠牲に加え膨大な軍事費が浪費され軍事関連企業は我が世の春を謳歌して居る有様をアメリカの国民達は認識しなければなりません。 ブッシュ陣営に対する政治献金の最大の提供者が軍事産業である事も知らしめる必要があります。

今日本で所得格差が大きな問題となって居り小泉首相の責任論を唱える人も居ますが、アメリカでは低所得者層が増え続けて居り格差は日本以上に広がって居ます。 日本では災害が起きても短期間に復興救済が行われて居ますが、大洪水のあったニュ-オリンズは未だ復興とは程遠い状況にあります。 戦争には湯水の様に出費を続ける一方で福祉関係への予算は押えられて居ます。 そんな不満から今回の選挙では低所得層の票が民主党に流れたと言われて居ます。

いずれにしてもブッシュ敗退はアメリカ人の常識の復活と理解し歓迎したいと思います。

井上 出    (06/11/12受信) 

0 Comments:

Post a Comment

<< Home