Thursday, November 09, 2006

イノさんの文箱 (2006/11/09)

「障害児の一般校への入園に一言」

10月25日東京地裁は東大和市の青木鈴花ちゃん(6才)と両親が市を相手取って起した私立幼稚園への入園を求めた訴訟に対し「保育園への入園を認めない事は許されない」として市側に鈴花ちゃんの入園を受け入れる様にと言う判決を下しました。

これを各紙やTVが大きく取り上げ、医療ケアが必要な子供達に広く入園の門を開く意義ある判決と評価して居ます。 併し私はこの判決が受入側に大きな負担を強いる事から鈴花ちゃんは医療設備のある療育施設に行くべきだと考えて居ます。

鈴花ちゃんは1~3時間に1回痰を吸引することが必要であって、この吸引は医療行為である為看護師でなければ吸引してあげる事は出来ないのです。 従って鈴花ちゃんが通園する様になれば彼女の為に教室に吸引を行える看護師が控えて居なければならないのです。 この看護師の給料は市が全額負担する事になるのですが、1人の幼児の為にその様な出費を市として行う必要があるのでしょうか?

唯でも市町村は財政赤字に苦しんで居り、無駄な出費は押さえ更には必要経費も削る必要があるそんな状況下にこの様な出費は許されないと私は思うのです。 御両親が一般児と同じ扱いをして欲しいと希望するのは当然の事ですが、この様な出費を市に強いてまでその希望を叶えようとする行為は親のエゴではないでしょうか?

臓器移植の為に1億円ものお金を集め外国で手術を受けさせる事についても私は反対であると先日も御伝えしましたが、順番待ちをして居る現地の同じ悩みを持って居る人達を大金を払う事で押しのけて優先的に手術を受ける事が正義とは思いません。

皆さんの御意見も是非御聞かせ願いたいと思います。

井上 出    (06/11/09)

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「日本の製造業のモラルの低下と品質管理問題」

次から次と製品のリコ-ルが続いて居り、世界に最高品質を誇る”MADE IN JAPAN"の名声も地に落ちたと言わざるを得ません。日本の製造業で今何が起きて居るのでしょう?

最近で最大のリコ-ルは三菱自動車で、殆んど毎日の様に新聞にそのリコ-ル隠しの実態が掲載され、結果として三菱車の売上が急落しました。その後も相変らずリコ-ルが起きて居り、一度揺らいだ箍は仲々元に戻りそうもありません。

極く最近ではソニ-のコンピュ-タ-用バッテリ-事故で、その直接の交換費用に加えてコンピュ-タ-メ-カ-各社から損害賠償請求が出始めれば1,000億円以上の損失になると言われています。ブランドを作り上げるには大変な時間と費用が掛りますが、失うのは唯の一日ですから今後ソニ-は茨の道を歩かざるを得ません。名誉回復には長い年月が掛る事でしょう。

自動瞬間湯沸器のトップメ-カ-だったパロマ社のガス湯沸器で今迄判明しただけでも21人が死亡して居ます。その死亡した人達に対する補償と市場に出回って居る製品の改良・補修そして交換となるとこれ又膨大な費用が掛りますし、消費者離れは間違いなく起ります。これまでのところ2,413件の事故が報告されて居ます。

日立が原子発電所に収めたタ-ビンの羽の破損事故は下手をすると大きな事故につながる可能性もあった訳で、幸なことに人身事故は起きませんでしたがこれも世間を騒がせた大きなニュ-スでした。

7人の犠牲者を生んだ書類の切断機(シュレッダ-)はアイリス・オ-ヤマのシュレッダ-が最初に報道された事故ですが、それを隠して居た為に次々と事故が発生しました。これは本来事務所で使用するもので幼児が触る事は想定して居なかった事から起きた事故ですから、メ-カ-に対しては同情の余地がありますが、今後はあらゆる事態を想定し物作りする必要がある事を教えて貰いました。

松下製卓上食器洗い乾燥機も火を吹いたと言う事故が4件発生し、全製品を回収し修理する事になりましたし、川崎重工グル-プだった川崎ファンヒ-タ-の融雪装置も発火のおそれがあるとして全数回収と報じられて居ます

先日はトヨタがリコ-ル問題を起し天下のトヨタが?とマスコミに叩かれましたが、全ての自動車メ-カ-やオ-トバイメ-カ-がリコ-ルでこのところ度々新聞を賑わして居ます。

技術大国と呼ばれて久しい日本も以上の事実から戦後日本で作られ米国に輸出されて「PIECE OF JUNK」と呼ばれたMADE IN JAPAN の雑貨製品の時代に戻った様な感じさえします。

唯でも工学部への進学希望者が減って居るにも拘らず、その卒業生の多くが金融や証券業界に流れて行き、手を油で汚す物作りの現場に入る若者が減り続けて居る事から今後も製品事故は続くのではないかと不安です。

安倍新首相は教育改革を最重要課題の1つとして力を入れると言う事なので、何としても物作りの喜びを知る若者を大勢育てて欲しいと心から願っています。

井上 出    (06/11/09)

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「世界最大の家具小売りチェ-ン・イケア日本再上陸」

1980年代に日本進出を試みたにも拘らず一敗地に塗れたスウェ-デンの世界最大の家具小売りチェ-ン・イケアはその後20年間ジックリと日本の市場動向を調査し消費者を研究し日本市場再参入の為の準備をして来たと言うのですからその根性と長期マ-ケティング計画には驚きます。

前回は店舗を借りての進出でしたが今回は土地も建物も購入し不退転の覚悟での再進出で勝算は充分にあり船橋と港北にオ-プンした2店舗は共に大盛況です。

イケアの創始者イングウ゛ァル・カンプラ-ド氏は現在80才ですが今でも最高顧問としてグル-プ全体に目を光らせて居るのですから脱帽です。 カンプラ-ド氏の個人資産は米国のフォ-ブス誌によれば280億ドル(約3兆2千億円)で世界長者番付第4位ですが飛行機は何時もエコノミ-クラスでホテルもビジネスホテルに宿泊するそうです。 以前にイオンの岡田社長がエコノミ-クラスで旅をすると御伝えした事がありますがトップが先ず範を垂れる姿勢は一緒で見習う必要があります。

日本の大手企業では部長以上は運転手付きの社用車が自由に使えるところが多いのですがこんな事をして居たのではグロ-バル時代に世界の企業と競合して勝ち残る事など出来ません。 ウォ-ルマ-トは世界最大のス-パ-マ-ケットチェ-ンですが社長であろうと自分で運転して出社します。 日本の様に現役引退後も相談役だとか顧問と言う肩書で死ぬまで会社にぶら下って居る様な事はこれから出来なくなり社用車も段々消えて行く事でしょう。

外国企業恐るべし。 これからも外国企業の日本進出は続きますから日本の経営者達は微温湯から出て早朝から深夜まで頑張らなければ淘汰される事を知らなければなりません。

井上 出    (06/11/09)

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