Wednesday, August 02, 2006

イノさんの文箱(2006/08/01)

「韓国のス-パ-が日本へ進出?」

御承知の様に世界最大のス-パ-マ-ケットチェン、ウォ-ルマ-トが韓国から完全撤退しました。 結局は米国式「エブリデ-・ロ-プライス」だけでは韓国の消費者の支持は得られなかったのです。 今日の新聞によればウォ-ルマ-トは独逸からも撤退するとの事。

そしてそのウォ-ルマ-トの韓国内の16の全店舗を買取ったのが新世界で、傘下のス-パ-マ-ケット「イ-マ-ト」はこれで韓国内に99店舗を持つ事になります。 今回の買収によって「イ-マ-ト」のス-パ-マ-ケットの首位は盤石となります。 仏蘭西に本社を持つカルフ-ルも日本のみならず韓国からも撤退しましたが、新世界はウォ-ルマ-トの店舗が全て自社物件である事と労働組合がない事から買収を決定したと新世界社長具学書(グ・ハクソ)(59才)は日経流通新聞のインタビュ-に答えて居ます。

倉庫型の店舗は日本でも消費者に受け入れられませんでしたが韓国も同じで安いだけでは集客が出来ないのです。 ショッピングは楽しみの1つでそれには売場の雰囲気がとても大事だと言う点では日韓共通して居ます。 世界の流通業の長所、短所を徹底的に研究し韓国流にアレンジする具学書氏の手法が今日の韓国に於ける「イ-マ-ト」の地位を築いたものと思われます。

新世界は今世界中の注目を浴びて居る成長企業サムスングル-プから1991年に分離独立した企業で、総合ス-パ-の他に衣食住関連商品をワンフロアで展開するス-パ-センタ-そして百貨店も経営する優良企業です。

韓国の大手企業は殆んどが同族会社で役員は親戚縁者で占められて居ますが新世界は違います。 オ-ナ-は会長の李明熙(イ・ミョンヒ)と言う人で具社長がCEOです。 李会長は人事や長期的な会社の方向性を考える役割に専念し経営は全て具社長に委せて居る事から、専門経営者とオ-ナ-との役割分担が上手く行われて居りスピ-ド経営を実現出来たのだとして高い評価を得て居ます。 即決即断がオ-ナ-ではない具社長に出来る事が成長の最大要因と思われます。

この具社長が韓国に於けるカルフ-ルとウォ-ルマ-トの失敗原因を問われ次の様に語って居ます。 
「流通業はその国の生活文化です。 我々が優れていたと言うよりも彼等が自らのスタンダ-ドに固執し韓国文化を無視したからでしょう。 彼等は現地化しなかった。 外国人をトップに据えたのではその国の商圏を把握するのは難しい。 東洋をひとくくりに考えタイや中国で勤務した人間を韓国に派遣するのは間違いです。 国各に文化が違う事を認識する必要があります」
正にその通りだと思います。 そして西友を買収したウォ-ルマ-トは日本式販売手法を取り入れ再起を図って居るところです。

具社長は59才、サムスン時代には日本での勤務経験もあり日本語も堪能と言う事なので恐らく将来的には日本進出も考えて居るものと思われますが今のところ2010年迄にイ-マ-トを韓国内150店、中国に34店そして百貨店は現在の7店から10店にする事を目標にして居るとの事ですから日本の流通業者にとって将来大きなライバルになる事でしょう。 そしてイ-マ-トが日本に進出するのは時間の問題の様に思われます。

井上  出     (06/08/01)

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「日印関係に政府も企業も力を入れる時だ」

昨年度のインドのGDP(国内総生産)は2004年度比8.4%増と言うのですから中国に迫る勢いです。 2005年度の海外からのインドへの直接投資は前年度比53%増の81億5千万ドル、そして輸出は26%増の1,010億ドルだったと言うのですからその発展振りには目を見張るものがあります。

そして今年度も8.5%の高成長は間違いないと言われて居ますから、原油価格上昇などの不安要因から外国人投資家がインド株の売却に動き今年の5月中旬から株式相場は18%程下落しましたが、これは一時的な現象でいずれ値を戻すと思われます。

洋泉社出版、門倉貴史著「インドが中国に勝つ」は日本企業はもっとインドに進出すべきだと説いて居ますがその通りだと思います。 そして人口も現在11億人ですがいずれ中国を抜く事は間違いない事から、中国以上の巨大消費市場となるインドに今こそ日本企業は進出すべき時だと考えます。

IT活用サ-ビス産業をはじめ医薬品やバイオ等を中心に活力旺盛なインド経済の近年の急成長は貧困、地域格差、カ-スト制、雇用、農業といった沢山の国内問題を抱えて居るにも拘らず今後も引続き成長を続けて行きます。

日中の不安定な政治関係は今後も続きます。 そんな世界制覇を目指す共産国中国と違い民主国家として我々の仲間として組める国インドにこそ日本の企業は進出すべきだと言う事を政財界のリ-ダ-達に認識して貰いたいと思います。

神鋼電機は出力1,000ワット級の小型風力発電システムをインドの環境装置メ-カ-でニュ-デリ-にあるインディア・パワ-社に対し技術支援し現地生産する事になりました。 インド南部の高原地帯は強い風が吹くと言う事から先づはこの地域への供給からスタ-トするとの事。 そして将来的にはインドを生産拠点としてアジア諸国の市場に売込んで行く計画の様ですが、沢山の日本企業がインドに注目し中国から生産拠点をインドにシフトする時だと思います。

井上  出    (06/08/01)

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