Thursday, July 12, 2007

ドバイ、日本米中国へ (2007/07/11)

平成19年7月10日

ドバイ政府の非常識

ドバイ首長国はアラブ首長国連邦(UAE)の7首長国の1つで石油の輸出のみならず中東の金融機関の集積地として目覚しい発展をして居り更にドバイ・インタ-ナショナル・キャピタル(DIC)などドバイ政府の複数の投資会社は米欧で不動産や企業の買収を積極的に進めて居ます。 この点では他の6ヶ国よりは前向きで評価出来ます。

ドバイでは2008年には世界最高層ビル「ブルジュ・ドバイ」が完成すると言うのですがこれが何と700メ-トル超と言うのですから果してこんな高層ビルを建設する事にどれだけの意味があるのか疑問ですがこれも国威を示す為に必要と考えたのかもしれませんがこの辺がチョット問題で無駄遣いの様に思われます。

英国のキュナ-ド・ライン社所有の豪華客船「クイ-ン・エリザベス2世号」をドバイ政府の投資会社イスティスマルは1億ドル(約123億円)で購入しドバイ沖で建設中の人工島「パ-ム・ジュメイラ」に係留しホテルとして2009年に開業することになったと言うのですからドバイ政府は今後観光立国を目指す事間違いありません。

国として石油に次ぐ収入源として金融と並び観光を柱としようと言う姿勢はそれで結構ですがマジド・フテイム・グル-プの様に人口スキ-場までも建設するとなると今地球温暖化の危機が叫ばれて居る時期に灼熱の国にスキ-場迄作って温暖化を加速させる等常識外でありドバイ政府に対し地球の将来に何らかの形で貢献する様な事業への投資を目指して貰いたいと願います。 前述のマジド・フテイム・グループは人工スキ-場を何と湾岸一帯にも展開したいとして検討中と言うのですから、これはもう彼等の常識を疑います。

中東の石油は一説によれば30年位で枯渇すると言われて居ます。 いずれは石油がなくなる事間違いない中東諸国は石油が高値で推移している今こそ将来の国の存続の為に知恵を絞る必要があるにも拘らず石油マネーで浮かれて居る連中を観光で呼び込む事を考えるのではなく他の産業の育成に努力すべき時だと私は考えるのですがどうも目先の事にしか頭は回らない様です。

井上  出     (07/07/11受信)

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平成19年7月10日

日本の米が中国へ

先日も日本の農産物が中国他色々な国に輸出されて居り政府が2013年迄に年間1兆円の売上に輸出を拡大すると言う目標を掲げて居る事を御伝えしましたが中国では新潟県産「コシヒカリ」と宮城県産「ひとめぼれ」が現地の米の通常価格の20倍で1キロ63元(1,000円)から94元(1,500円)もするにも拘らず沿岸部の都市で良く売れて居ると言うのですから中国の所得格差の大きさに今更ながら驚きます。

日本製の米は中国の他に香港・シンガポール・台湾にも輸出されて居ると言う事で2006年の米の輸出額は4億円強との事でこれは2005年の実績比38%増だと言うのですから富裕層の増加がこの数字からも推測出来ます。

以前にもお伝えしましたが外国産の米に対して日本政府は何と778%と言う高い関税を掛けて国内の米生産農家を保護して居ます。 因みに国際価格の指標となるタイ貿易取引委員会の6月の平均輸出価格は1トン372ドルですから1キロ0.37ドル(約46円)に過ぎません。 これでも昨年比10.2%高くなって居ると言うのです。

世界市場ではインディカ種と呼ばれる長粒種が90%強を占めて居ますから日本の米である短粒種は問題にならない程少ない量ですがその需要は増え続けて居ると言うのですからその品質と味は世界中の食通達に浸透して居る事が判ります。 私の米国の友人の中には日本のお米に何も掛けずに炊きたてのお米を美味しいとしておかずも何も無しに食べる男が居ますが、日本のお米は本当に美味しいのです。

併し世界中で貿易の自由化が進行中ですから778%などと言う信じられない高関税を何時迄もかけて居る訳にはいかない事から日本の米の生産農家も将来に備えて生産コストを下げる為の努力をしてもらう必要があります。

井上  出 (07/07/11受信)

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