Tuesday, August 08, 2006

イノさんの文箱(3006/08/07)

「日本と他の先進国との医療事情の違い」

欧州と北米とは医療の実情はあまり変らないと思いますが、日本だけは先進国の中で他の欧州や北米とは色々な点で大きく違います。

先づ入院日数ですが例えばお産の場合他国ではこれは病気ではなく人間の自然の営みと考え出産後2日もすれば退院です。 又人間には自然治癒能力があると言う前提で手術後は自宅療養が中心になって居ます。

日本の平均入院日数は先進国中最長で36.4日。 これに対しフランスは13.4日、オ-ストリアは8.1日そして米国では何と6.5日にすぎないのです。

最近の日本では加えて病状が回復しても病院に居続ける社会的入院が多くなって居て、本当に入院治療が必要な人達が空きベッドがない為入院出来ないケ-スがこのところ増えて居ます。

年を取ると中古車と一緒で身体のあちこちが痛んだりスム-ズに臓器が働かなくなります。 ところが一度入院すると上げ膳据え膳の生活に慣れ色々な身体の不調を訴え長期入院をする老人が増えて居るのです。 病院のロビ-が老人に占有されて居ると言う批判は事実なのです。 大きな薬袋を抱えて帰る老人が多く、毎日大量の薬を飲む事が果して健康を保つ上で本当に効果があるのであろうかと何時も疑問に思います。

人口千人当たりの病床数では日本は16.5台と欧米の2~5倍の水準にあるにも拘らずベッド不足で入院出来ない人が多いのは問題です。 病院の老人ホ-ム化をこの辺で是正する事が医療費の国の負担を減らす事にもつながるのです。

病床数では先進国中最多の日本ですが医師や看護師の数となると驚く程少ないのです。 日本は現在人口千人当たり医師数2.0人ですが欧米では2.2~3.4人、そして看護師の数は欧米並でも病床数が多い事から100床当たりだと日本は42.8人、一方欧米は70~230人と2~6倍も居るのです。 従って他の先進国では充分なケアがして貰えますし仕事に追われての治療ミスもないのです。

日本の様に国民皆保険制度を実施して居る国は少ない事からこの制度を存続させる為にも無駄な医療費の抑制に政府は真剣に取り組む必要があるのです。

井上  出    (06/08/07)

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「石炭からガソリンや軽油精製の商用化進行中」

石炭を粉末状にして溶剤と水素を混ぜ高温高圧状態にする事でガソリンや軽油を作る技術は日本では1980年代から研究が進められて来て居ます。 併し製造コストが1バレルあたり30ドル前後も掛る為実用化は難しかったのですが、今や石油価格が1バレル当たり70ドル台になって居る事から今後各国でその実用化が急速に進む事になりそうです。

併し日本は石炭を輸入しなければならない事から日本での生産コストは高くなる為、石炭の生産国に技術を持ち込み現地でガソリンや軽油を生産する動きが出て来て居ます。

石炭の生産量では中国が年間20億トンと世界一で続いて米国、オ-ストラリア、インド、南アフリカとなって居ます。 特に中国は世界の総生産量の35.9%を占めて居る事から、経済産業省は今夏から中国企業と現地で実証実験を開始し2010年には商用化する計画です。

更にインドネシア政府とも石炭液化事業の協力交渉を開始し、実験プラントも来年度中に立ち上げ商用化につなげる計画との事。 インドやモンゴル、フィリピンからも事業協力の申し入れがあり一大事業に育つ可能性が出て来ました。

物作りではなく新技術開発とその技術移転が今後の日本の進む道の様に思われます。

井上  出    (06/08/07)

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「大場さんのご意見に対してご返事」

大場さんからのコメント拝読しました。 人それぞれ考え方が違う事は仕方のない事ですが一応大場さんには次の様に回答させて頂きたいと思います。

(1) 幼児期に百万円を与え株に投資をさせた村上氏の父親について
私は拝金思想を植え付ける可能性がある事から幼児期から株式投資をさせる事には反対です。 幼児期には自然との触れ合いや友人との交際を通じ更には読書習慣を付けてやる事で人格形成をさせるべきで、株投資等論外だと思うのです。

盟友だと信じて居たホリエモンを一方的に裏切って買わせた株を一方で売って利益を上げて居たと言う行為は、金儲けの為には友情や義理人情も無いと言う村上氏の歪んだ拝金至上主義思想が幼児期からの株売買に根差して居た事を証明して居ると思います。 恐らく親しい友人等居ないと思います。 こんな子供が増えては困るのです。

(2) イスラエルのレバノン侵攻について
ヒズボラによって拉致された兵士を救う為にレバノンに侵攻したイスラエルの行動は国際常識の範囲内と言う御意見全くその通りだと思います。 自国民を又自国領土を守れない日本政府の弱腰外交を見るにつけ情けなく思います。 レバノン市民、レバノン政府共にヒズボラの支配下に入って終った事が今回のイスラエルの侵攻に結びついた事実を認識し、ヒズボラをレバノンから締め出す事を希望しますが現実には仲々難しい事でしょう。

(3) 日本人の道徳心の欠如について
キチンと法律を作る事そして物言う日本人の両面から攻める事が必要と言う大場さんの御意見は判りますが、特に最近の若い人達のマナ-の悪さには怒りを覚えます。 そしてマナ-の悪さが昂じて犯罪を平気で犯す様になって来て居る事に危惧を感じます。

書店やコンビニエンス・ストアでの万引は増え続け、高校生の半分は万引の経験があると言う調査報告を聞くと日本はもう救い様が無いところまで来て居るのではないかと心配になります。 路上で集団で人を襲って金品を強奪したり女性や老人を対象にしたバイクによる引っ手繰りの多発、そして子殺し親殺しは毎日の様に新聞を賑わして居ます。

こんな日本をどうしたら私達の子供時代の様な安全でお互いに思い遣りの心を持った人達の集団に戻せるのでしょうか? 世界に誇った日本の警察も警察官のレベルの低下や裏金作りそして警察官による犯罪の続発でその威信も地に堕ちました。 特効薬は無いのでしょうか?

(4) 役人に東大卒が多いと言う問題について
私の父は東大卒でお仲間が良く出入して居た事からその優秀さは高く評価します。 併しそれは昔の話でその時代には予備校に通ったり家庭教師を付けて学ぶ様な人達は居ませんでした。 皆自分で参考書を選び自分流の受験勉強をして入学して来た本当に優秀な人達で、入学後も運動部に殆んどの学生が所属し身体を鍛えたのです。 父は乗馬とテニスそしてスケ-トをやった様で当時の写真が残って居ます。

テニスでアキレス腱を切って終った位練習をしたとの事で、同時に学問にも精出し又友情を育んだ事は社会に出てからの仲間の集まりの頻度からも判ります。 父が戦後支那から引揚げて来て職が無く小豆相場を張って無一文になった折にどれだけ多くの友人達が支援して呉れたか判りません。 そんな友人関係が作れた当時の東大(帝国大学)でした。

併し最近は高い授業料を払って小学校から東大医学部を目指す予備校(神戸)があったり、大勢の家庭教師を付けて東大を目指したりする本人の意志と言うより金持の親の夢を実現する為のバックアップ体制が出来て居り、能力と言うよりもそんな環境の中で育ち入学して来る学生が東大には多いのです。 従って害務省と揶揄される様な東大法科出身で固められた世間の批判を浴び続ける様な役所が生れて居るのです。

大場さんの言われる様に優秀で能力のある連中が東大卒に多いと言うのなら、何故近頃日本の大企業のトップに東大卒が驚く程少なくなったのでしょうか? 東大の学生のレベルは間違いなく落ちて居ますが役人の世界では相変らず東大出身者でないと幹部職員になれないのです。 これは能力ではなく間違いなく学閥です。

7月28日農林水産省が幹部人事を発表しましたが、これが5人全て東大法科出身なのです。 御参考に氏名と役職を列記します。

小林 芳雄  事務次官
白須 敏朗  水産庁長官
井出 道雄  官房長
町田 勝弘  消費安全局長
高橋  博  経営局長

以上全て東大法卒となって居るのですから、こんな人事が許される裏には強固な学閥があり他の大学出身者は入り込めない組織になって居るのです。

役人として出世する為には東大法科出身でなければならない等と言う役人世界の悪習は打破しなければならないのですが、それには東大法学部を廃部にするしか他に名案はないと私は考えるのです。

以上、大場さんの御意見に対し私なりにコメントさせて頂きました。

井上  出    (06/08/07)

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「仕事への意欲の低い日本人」

野邑さんから転送して頂いた日経情報ストラテジ-の記事によれば、米国の人事戦略コンサルティング会社のタワ-ズペリンの調査により世界16ヶ国の中で仕事に対する強い意欲を持って居る日本人は全体の2%に過ぎないと言う結果が出たと言うのです。

仕事に対する意欲の高いのはメキシコ(40%)、ブラジル(31%)続いてアメリカ(21%)、ベルギ-(18%)、カナダ(17%)、ドイツ(15%)、アイルランド(15%)、イギリス(12%)、スペイン(11%)そしてお隣の韓国が9%との事です。

正直のところメキシコとブラジルが1位と2位と言う調査結果には疑問がありますが、周囲を見廻しても日本人の仕事への意欲が他国に比較して低いと言う事では納得出来ます。 乳母日傘で育って来た今の日本の若者達にはハングリ-精神はなく、折角将来性のある企業に就職しても仕事がキツイとして退職して終うケ-スが増えて居ると聞くと、2%と言う数字は低過ぎるとしても世界ランキングで最低の地位を占める事になると思われます。

仕事に対し意欲的ではないが与えられた仕事は無難に熟すと言う点では勤勉さに変りがないが、自分から提案をしたり仕事の能率を上げる努力をすると言う事がないと言うのが日本人を調査した総評との事でした。

道徳心の衰退、犯罪の多発、他人を思い遣る心の欠如、親子の殺し合いに加え労働意欲の低下とあっては日本は救い様の無い国の様に思えるのですが、皆さんはどの様に日本の現状を捉えて居られるのか御聞きしたいと思います。

井上  出    (06/08/07)

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「中国の大都市の治安が悪化し続けて居ます」

海外からの観光客の数は中国大都市に集中し毎年増え続けて居ます。 外国人の中で現金を一番お財布に入れて居るのが日本人である事は広く知られて居り、その為にスリや強盗に襲われる日本人が急増して居ます。

観光名所やホテルで狙われるケ-スが多いのですが、犯人は複数で盗んだバッグや財布を何人かでリレ-式に渡しながら逃走する為とても取り戻す事は出来ないのです。 20年程前に私は香港で3人組のスリのグル-プに財布もパスポ-トも全て盗まれた事がありますが、この手法が今中国本土でも使われて居る事を知りました。

中国では携帯電話を盗まれる事件も頻発して居るそうですがその理由は携帯電話内蔵のチップを交換するだけで自分の物として使える上、中古品を買い取る業者が居ると言うのです。 中国にはスリの数が多過ぎて逮捕しても収容する刑務所が一杯な為、注意を受けるだけで釈放される為再犯に走る連中が多くスリ被害は増え続けて居るのです。

大都市の上海や北京では今電線やマンホ-ルのふたが盗まれる事件が多発し市政府は頭を抱えて居ます。 被害はその他変圧器や街路灯、送電用の鉄塔、公衆電話ボックス、ガ-ドレ-ル、道路標識、ケ-ブルと殆んど全ての金属製公共備品に及び市民の生活インフラが深刻な打撃を受けて居ると言うのです。

上海市内で約100メ-トルの電話ケ-ブルと5個の電話変電装置が盗まれ1,000戸近くの電話が不通となったケ-スもあったと日経が報じて居ました。 鉄不足が最近のこの様な犯罪を生む原因になって居り、犯罪集団にとって大きな資金源になって居ると言うのですから救いがありません。

日本から中国への旅行者がこのところ増えて居ますが、凶悪犯罪も増え続けて居る事から夜間の外出は避けると共にスリの被害に会わない様常に周囲に警戒する必要があります。

井上  出    (06/08/07)

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