Friday, September 01, 2006

イノさんの文箱 (2006/08/31)

「エスペラント語について」

シゲさんの御祖父様も本郷で学ばれたと言う事ですから、恐らく東大農学部のみならず東大全体にエスペラント語を学ぼうと言う動きが当時あったものと思われます。 それにしてもお葬式での弔辞がエスペラント語だったと言うのですから随分勉強され又その普及にも貢献された方であったろうと想像します。

父は農学部の獣医科だったので独逸語で授業を受けたと聞いて居ますが、当時は医学部でも英語ではなく独逸語が主流だったと思います。 そんな事で今の様に全てが英語と言う時代でなかっただけに当時はエスペラント語と言う国際共通語を世界中の人達が待ち望んで居たものと思われます。 併し今では英語が世界中で話される様になりエスペラント語は消えて行く運命にあると思って居たのですが、アメリカの東部の大学を中心に再び復活して来て居ると知り驚いて居ます。

英語を母国語とするアメリカでブ-ムが起きると言うのは実に興味のあるニュ-スでその原因が知りたいと思います。 世界中で反米感情が高まって居り特に中近東あたりでは英語に代る国際共通語を求めて居る事から、中近東からエスペラント語が再復活すると言うのなら理解出来ますがアメリカの東部の大学と言うのは面白いですね。

併しエスペラント語はユダヤ人学者によって始まった言葉となると中近東の人達は生理的嫌悪感があり受け入れないかもしれません。 いずれにしてもエスペラント語復活は悪い事ではないと思います。

シゲさん関心が出て来たと言って居られますが是非勉強始めて下さい。 以前に御紹介をした曻地三郎博士(100才)は今でも中国語や韓国語を勉強して居られます。 しかもこの2ヶ国語は先生が90才を過ぎてから始められたにも拘らず今では中国語で講演が出来るレベルにまで達したと言うのですから、曻地先生から見れば我々は未だ若造でシゲさんには是非頑張って頂きたいと思います。

井上  出 (06/08/31)

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地球温暖化のつけ」

ヤッピ-達の間でも評判の「トフィ-ノ」が水不足で観光客を受け入れられないと言うニュ-スに驚いて居ます。 周囲には雨が降るレインフォレストがあると言うのにトフィ-ノだけは全く雨が降らないと言うのはどうしてなのでしょうか? 神様の悪戯としか考えられません。 兎に角世界中で気象異常が起きて居るのです。

アラスカでは永久凍土と言われて居た地域の氷が溶け出して、その上に建てられて居た建築物が倒壊して居ると言うニュ-スも入って来て居ます。 氷河もどんどん溶けて来て居ると言う事ですから海の水位も上昇し南太平洋の小さな島の中には水没の危機に晒され住民が離島を迫られて居るところもあります。

海水温度の上昇により日本近辺で熱帯魚が最近見られる様になったり、今迄日本に飛来した事のない様な鳥が飛んで来たりと自然界には沢山の異状現象が起きて居ます。

CO2最大の排出国であるアメリカが本来ならば世界に呼び掛け排出量削減の為にリ-ダ-シップを取らなければならないにも拘らず、自国産業保護の為に京都議定書に署名しないばかりではなくカナダまでも引きずり込もうとして居る事に憤りを感じます。 こんなアメリカを支持してはいけないのです。

井上  出    (06/08/31)

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「中国の抱える問題山積そして中国政府は解決の糸口さえもつかめない。」

古森義久氏が中国が克服しなければならない問題を五つ取り上げて居ます。 それに私の意見も加え御伝えします。

(1) 不都合な人口動態
一人っ子政策の浸透の結果出生率は低下を続けて居り、労働人口は2015年にピ-クに達しそれ以降は減少の一途をたどります。 一方で平均寿命の延びで高齢者が大幅に増えこれが経済全体に大きなブレ-キを掛ける事になるのです。

日本同様若者が老人達を支えて行けなくなるばかりではなく、男女の人口比率のアンバランスが更なる少子化につながって行くのです。

(2) 腐敗や「法の統治」の弱体化
汚職は政府の厳しい規制にも拘らず増え続けて居り全く改善して居ません。 法律があってもその規定は明確さを欠きしかもその執行は恣意かつ独断的で、裁判所は政治的影響力で動かされて居ます。 政治の地方分権化を進めた為に各地方の共産党官僚達が権利を乱用し私腹を肥やす結果を生み汚職が更に増えて居ます。

マカオの賭博(カジノ)は中国人達で一杯と言う現象は汚職が広範囲でしかも高官も含めて広がって居る事を物語って居ます。

(3) 国有企業や関係企業の財政危機
国家の影響下にある企業は返済能力の有無に拘らず政治的関係によって融資を得て来ました。 併し低い生産性、低い収益性の集団が多く、巨額の融資を受けながら返済出来ず資金面での制約が重圧となり倒産する事になるのです。

倒産企業を安値で買収し私企業として建て直したと言う例は枚挙にいとまがない程で、その殆んどが今では優良企業として復活して来て居ますが国の損失は膨大なものになって居ます。 そして経済全体への影響も広がって居るのです。

(4) 機能不全の金融システム
不良債権、非市場的融資が止まらない状況下では引続き国有企業やその関連企業が倒産し失業者を増大させ、引いては共産党の権力維持が困難になります。 又銀行の中には業績悪化で政府の支援が必要になるところも出て来ると思われます。 バブルがはじけた後の日本の様な状況が起きる可能性が出て来て居るのです。

(5) 国内と外国との不均衡の拡大
人民元の交換レ-トが中国政府によって人為的に大変低く抑えられている事は中国の銀行に輸出拡大によるキャッシュ過剰現象をもたらし、その金が企業への貸し出しに向い生産設備過剰投資を生み需給バランスが崩れ在庫過剰が更なる安値輸出を呼びます。 黒字の拡大は米国を中心とする先進国との摩擦を呼び輸入規制につながり、中国からの輸出が急激に縮小し中国経済に急ブレ-キが掛る可能性が非常に高くなって来て居ます。

所得格差が最近日本では大きく取り上げられ小泉政治の負の遺産とまで言われて居ますが、中国に於ける所得格差の広がりは日本の比ではなく山間部や僻地では月収300元(約4,000円)前後の農家が存在する一方上海、北京、大連の様な大都市では億万長者が生れ億ションに住みセカンドカ-迄持つ富裕層が増え続けて居るのです。

昔と違い最近は僻地でも共産党事務所にはテレビがあり貧しい農民達は大都会の豊かな生活を目にする様になり、自分達の生活と引き比べ共産党に対する不満はマグマの様に全国に溜り続けて居り何時爆発しても不思議はない様な状況なのです。

膨大な予算を軍備拡張や新兵器購入に支出し又宇宙開発に巨額な投資を続ける中国政府は、農民対策に直ちに真剣に取り組まない限り転覆は時間の問題になりつつあるのです。

井上  出    (06/08/31)

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